太宰府&小郡の名店から厳選!自家焙煎コーヒー2選とおうちで楽しむプロのコツ
太宰府&小郡の名店から厳選!自家焙煎コーヒー2選とおうちで楽しむプロのコツ

自家焙煎のコーヒーをゆったりと味わう時間は、大人ならではのぜいたくです。今回は、福岡県小郡・太宰府エリアで自家焙煎コーヒーを楽しめる2軒をご紹介します。店主のこだわりや人柄が感じられる、とっておきのお店です。さらに、ご家庭でのコーヒーをもっと美味しくする工夫も教えていただきました。
目次
30種類以上ものコーヒー豆がそろう「Morrow珈琲」

小郡市の住宅街にあるMorrow珈琲。ドアを開けると、ガラス瓶に入った30種類以上ものコーヒー豆がずらりと並びます。ブラジル、エチオピア、コロンビア、インドネシアといった王道の産地はもちろん、ウガンダやパプアニューギニアなど、珍しい産地の豆まで幅広く取りそろえています。
「産地によって、味や香りの個性はさまざま。ビターチョコのような甘さとコクのある豆もあれば、爽やかでフルーティーな豆もあります。今まで飲んだことのない味のコーヒーとも出会っていただけるよう、幅広く豆をそろえ、コーヒー通の方にも新しい発見を感じてもらえたらと思っています」と店主の三宅淳司さん。

看板商品は、店名を冠した「Morrowブレンド」。甘み・コク・香りのバランスが絶妙で、毎日飲みたくなる一杯です。ブラジル産「アロマショコラ」も人気で、まるで砂糖を入れたかのような甘みがあります。「本当に砂糖が入っていないの?」と驚くお客様もいるそうです。
意外なことに、三宅さんは もともとコーヒーが苦手でした。しかし、自家焙煎のコーヒーに出会い、その奥深さと美味しさに驚かされて、コーヒーの世界へ飛び込んだのだとか。

コーヒー好きの裾野を広げファンを増やしていきたい
Morrow珈琲 三宅 淳司(あつし)さん
そんな三宅さんが手掛ける焙煎は、コーヒー豆の個性を最大限に活かすためのこだわりが詰まっています。豆ごとに温度や時間を調整し、最も美味しさが引き出される焙煎を心がけています。
店内にはゆったり過ごせる席もあり、2階にはコーヒー豆が入っていた樽をテーブルに使った、秘密基地のような空間も。窓からは花立山の眺望が広がり、心地よい時間を過ごせます。

スイーツも評判で、なかでも注目は三宅さんが“焼き方”と“素材選び”にとことんこだわった「焼き芋」。高糖度の熟成さつま芋を低温でじっくりと焼き上げ、蜜のような甘みを引き出しています。意外な組み合わせかもしれませんが、 高糖度の熟成さつま芋を使った焼き芋と、ビターなコーヒーの相性は抜群です。

レトロモダンな空間でこだわりの一杯を堪能できる「都府楼珈琲」

大宰府政庁跡を目の前に臨む「都府楼珈琲」。観光地にありながら、店内では静かな時間が流れています。
店を切り盛りするのは25歳の若き店主・万田竜之介さん。祖父母が50年前に始めた喫茶店を受け継ぎ、地元のお客様に愛されるとともに、若い人達も気軽に訪れる店へと磨き上げています。
「ここでは、時間を忘れてゆっくり過ごしてほしい」と万田さん。開店当初から使っているアンティークの椅子や照明、サイフォン、フランスのヴィンテージカップなどが店内を彩り、レトロモダンな趣が漂います。
かつては別の仕事をしていたという万田さんですが、喫茶店を継ぐ決意をし、筑紫野の名店で3年間修業。そ の経験を生かし、丁寧に淹れる一杯を提供しています。

看板商品は、数年かけて完成させたという「都府楼ブレンド」。コロンビア、インドネシア、ブラジル、グアテマラの豆を個別に焙煎し、酸味と苦みのバランスが心地よく、毎日飲んでも飽きのこない味わいです。店頭にはブレンドに使われている豆もそろえられ、飲み比べを楽しむこともできます。
人気のスイーツは、2日に一度メニューが変わる「本日のケーキ」。万田さんのお母様が手づくりしており、特にチーズケーキはファンが多いのだとか。

「大人のコーヒータイムを過ごしたい方は、ぜひ夜に訪れてみてください」と万田さん。アンティークランプやシャンデリアの柔らかな光に照らされ、レコードの音楽が流れる店内は、昼間とは違う表情を見せてくれます。

さらに、2025年11月にはメニューをリニューアル予定。季節ごとのブレンドなど、よりコーヒーに特化していくそうです。進化を続ける都府楼珈琲で、ぜひゆっくりとこだわりの一杯を味わってみてください。
【おうちで楽しむコーヒー】コーヒー豆の選び方編

お店で味わう一杯も格別ですが、ここからは、“おうちで楽しむコーヒー”をテーマに、プロが教えるちょっとした工夫をご紹介します。
自宅でコーヒーを楽しむとき、まず悩むのがコーヒー豆の選び方。そこで、Morrow珈琲の三宅さんに、初心者でも分かりやすい選び方を伺いました。
まずはお店の顔となる「ハウスブレンド」から試すのがおすすめ、と三宅さん。「そのお店の基準となる一杯を味わうことで、自分の好みを探る手がかりになります」。
そこから「もっと苦みが欲しい」「もう少し酸味があるほうがいい」と伝えれば、最適なコーヒー豆を提案してくれるそうです。

飲み慣れている方は、ホンジュラスなど珍しい産地の豆に挑戦してみても。
「産地だけでなく、同じ産地でも農園や製法によって違いが出ます。さらに、焙煎方法によっても味わいが変化します。ぜひ飲み比べて、豆の魅力を知っていただきたいです」と三宅さんは言います。
また、飲むシーンによって豆を選ぶのも一興。
「朝はスッキリした中深煎りが朝食にも合うのでおすすめです。仕事中なら、苦みがガツンとくる深煎りを。リラックスしたい休日はフルーティーな浅煎り、寝る前ならカフェインレスのデカフェ…とシチュエーションに合う豆を選ぶのはいかがでしょうか」。
【おうちで楽しむコーヒー】アイテム紹介編

コーヒー豆を選んだら、道具にもこだわりたいもの。都府楼珈琲の万田さんに、自宅でのコーヒー時間を充実させるアイテムを伺いました。
初心者に必要なのは「ドリッパー」「ケトル」「挽いた豆」の3つ。特にケトルは温度調整ができるタイプを選ぶと、仕上がりが格段に変わります。まずはこの3点から始めて、慣れてきたらドリッパーを変えて味の違いを楽しむのも良いそうです。
「当店で主に使っているのはハリオのV60。酸味が際立ち、スッキリした仕上がりになりますよ」と万田さん。
上級者には、コーヒーミルがおすすめ。「豆の粒度によって味が変わりますし、粒度がそろってないと味がブレてしまいます。しっかりしたミルを使うと、同じ豆でも味の違いを感じられますよ」。
さらに通好みのアイテムが「アウベルクラフト」。手回しで生豆を焙煎できる道具で、家庭のガスコンロに置いて少量の豆を焙煎できます。

万田さんも修業時代、毎日アウベルクラフトを使って焙煎を学んだそうです。「火加減や回すスピードで豆がどのように変化していくのか、試行錯誤していました。自分の原点となる大切な道具です」。
こうした道具を通じて、コーヒーの奥深さを体験できるのも大人ならではの楽しみです。
以上、とっておきのお店とおうちコーヒーの楽しみ方をご紹介しました。
おうちコーヒーを楽しむなら、地域の銘菓をコーヒーのおともにするのもおすすめです。
筑紫野・太宰府・小郡エリアには、地元で長く愛される名菓がそろっています。

筑紫野・太宰府・小郡エリア
地域に愛される銘菓店5選
お店やご自宅で、ゆったりと大人のコーヒータイム を過ごしてみてはいかがでしょうか。
<SHOP DATA>
◆Morrow珈琲(本店)

住所/福岡県小郡市横隈1664-10
営業時間/11:00~17:00
◆都府楼珈琲

住所/福岡県太宰府市観世音寺1-19-27
営業時間/10:00~20:00
※2025年11月からは9:00〜19:00 に変更
