福岡県醤油醸造協同組合 技術部 技術課 高橋 亮太さん / 総務部 総務課 丸林 浩美さん
今回のインタビュー

福岡県醤油醸造協同組合
技術部 技術課 高橋 亮太さん(右)
総務部 総務課 丸林 浩美さん(左)
食卓を支える福岡の醤油
福岡県は日本一の“醤油県”ということをご存知ですか? 全国には1013社(2024年度)の醤油醸造元があり、そのうち約1割にあたる90社が福岡県にあります。
1955年には全国に6000社以上あったといわれる醤油蔵は、時代の流れとともに大きく減少しました。それでも福岡では、今なお多くの蔵元がのれんを守り続けています。
それは、地元の人々に選ばれ、また品評会で受賞するなどたゆまぬ努力を重ねてきたからです。
私たち組合の前身団体は1902(明治35)年に発足。戦後の物資不足の時代に粗悪品を排し、品質を守るために再編成され、今日に至ります。
醤油ができるまで
製造は自動化、コンピューター管理によるハイテク設備で行われています。
しかし、工程自体は昔ながらの伝統に基づき、醤油づくりは続いています。

①食塩水溶解室
長崎県産の塩を発酵に最適な濃度に。

②原料貯蔵サイロ
大豆(アメリカ・インド産)と小麦(カナダ産)を保管。

③製麹(せいきく)室
蒸した大豆と炒った小麦に種麹菌を加え、醤油麹を製造。30度の室内で酸素を送りながら、3日間育てる。

④仕込みタンク
醤油麹に食塩水を加えて「もろみ」に。大型タンクで6ヶ月、発酵・熟成。

⑤圧搾
熟成もろみを700トンの圧力で搾り、「生(き)揚げ」醤油が完成。

⑥醤油粕
搾った後に残る醤油粕は飼料として活用。ここから「天然ヒト型セラミド」を発見し、化粧品「URUOIN」に活用。
醤油から生まれた潤い
近年、生活様式や食生活の変化、減塩志向の高まりを背景に、醤油の需要は減少傾向にあります。
その現実と向き合う中で、「“使っておいしい”だけにとどまらない価値を生み出そう」…そんな思いから、日本古来の発酵技術である“麹”に改めて着目しました。
麹を使った醤油づくりの過程で生まれる醤油粕を研究し発見したのが、「金のセラミド(天然ヒト型セラミド)」。それから10年以上にわたり研究を重ね、抽出に成功しました。
女性組合員によるプロジェクトチームを立ち上げ、ブランディングやネーミングにも挑戦。組合員同士の強い結びつきが生み出したのが美肌醤潤「URUOIN(ウルオイン)」です。「これまでと保湿力が違う」と好評で、使用された方から喜びの声が寄せられています。
現在はさらに“食べる潤い”という新たな視点から、セラミド入りのコンフィチュールの開発にも取り組んでいます。

醤油粕から生まれた「天然ヒト型セラミド」を含む5種類のセラミド配合の美肌醤潤URUOINの化粧水、美容液、クリーム。ネーミングやパッケージには、組合員の想いが込められた

セラミド×濃厚ミルクの“食べる潤い”「贅沢セラミドコンフィチュール」。ピスタチオ、コーヒー、ミルク、キャラメル、ストロベリー、玄米茶の6種の味わいを展開
醤油がひらく次の一歩
地元の皆さまの暮らしを支える私たちの新たな一歩、それが醤油の力を健康づくりに活かす取り組み。
福岡県では、県民の健康寿命を伸ばすことを目指し、減塩への取り組みが進められています。私たちも、塩を賢く使う「TRY!スマソる?」の活動に、県内の大学などと連携しながら参加しています。
欧米から見ても独自性の高い文化といわれる「日本の“発酵”技術」…その結晶である醤油を、日々の食卓でさらに活用していただければと願っています。

「TRY!スマソる?」とは
“スマートに(賢く)ソルトを使う”をキーワードに、福岡県の服部知事の元でスタートした福岡県による減塩プロジェクト。県と組合、県内の全6校の大学・短大・専門学校が参加、味やパッケージデザインについてワークショップを重ね、「福岡スマソル醤油」が誕生。パッケージは福岡デザイン専門学校の学生が担当し、投票によって今後1種類に決定します。現在は、醤油屋で購入可能です。
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〈 問い合わせ 〉

福岡県醤油醸造協同組合
住/筑紫野市大字牛島65
☎/092-922-3831
