「品数は少なくてもOK!」子育て中の管理栄養士が語る、”無理しない”ごはんづくり

「品数は少なくてもOK!」子育て中の管理栄養士が語る、”無理しない”ごはんづくり
子育て世代の悩みとして多いのが「毎日のごはんづくりが大変」「野菜を食べてくれない」「献立がマンネリ」といった食の問題ではないでしょうか。そこで今回は、2人の小学生を育てながら、保育園で管理栄養士として働く渡部紘子さんに、日々のごはんづくりについて伺いました。食のプロはどのように家庭の食事と向き合っているのか、無理なく続けるためのヒントをご紹介します。
目次
管理栄養士も悩んだ、”理想通りにいかない”日々のごはん

「子どもが生まれた頃は、かなり気合いを入れて食事を作っていました。でも頑張りすぎて、だんだん苦しくなってしまって…」
そう話すのは、福岡県筑紫野市の「のどか保育園」に勤務する管理栄養士の渡部紘子さん。子育てに関する相談や教室を開催する「かかりつけ相談機関mamaサポート そらまめ」で離乳食などの講師も務める食のプロですが、育児と仕事の両立の中で、理想とのギャップに悩んだといいます。
「一番大変だったのは、上の子が幼稚園に通い始めて、下の子の離乳食から幼児食へ移行する時期。理想はあったけれど、子どもと過ごす時間を優先したいと思い、考え方を変えました」
そこでたどりついたのが、“ハードルを下げる”こと。ごはん・汁物・主菜があれば十分とし、余裕があるときだけ副菜を加えるスタイルに変えました。
「品数は減り、冷凍食品を使うようにもなりました。でも完璧を目指して子どもに我慢をさせるより、楽しく食卓を囲める方がいいと思ったんです。副菜がなくても、おかずがワンパターンでもいい、生きているからOK!って割り切ることにしました」
共働きフルタイム&作り置きなし、無理なくまわす渡部さんの1日
渡部さんの1日は、朝5時半からスタートします。「夜は子どもと寝落ちしてしまうので、朝はドラマを観ながら過ごす”自分の時間”にしています」
朝食は15分で準備できるメニューに固定。ごはん・卵料理・前日の汁物が基本で、家を早く出発する日だけ特別にパンを出すそうです。
「食パンを4分割して、それぞれに卵マヨやピザ風など数種類の味を付けて、ガスコンロのグリルで一気に焼きます。全部違う味だから飽きなくて、あっという間に食べてくれます」
帰宅は18時前、夕食は19時頃を目標に準備します。「その日に食べるものはその日に作りたいので、作り置きはしません。同時調理やガスコンロのタイマー機能なども活用しながら、できるだけ手間をかけすぎないようにしています」

夕食づくりのあいだ、子どもたちから「お腹が空いた」コールが止まらないことも。「そんなときは、ちくわや魚肉ソーセージ、チーズなど、すぐ食べられて栄養補給にもなるものを出しています」
おうちごはんの栄養バランスは「1日単位ではなく1週間で考える」のがポイントと渡部さん。
「1日で完璧に栄養を摂ろうとするとしんどくなるので、1週間でバランスが取れていればよしとしています。肉が続いたら魚を出す、給食がパンの日の夕食はごはんにする、といったゆるやかな調整をしながら、家での栄養バランスは長い目で見ています」
また、「素材の原型がわかる野菜を出せたらOK」という自分なりの基準も大切にしています。

「私の場合、食卓に野菜がないと罪悪感を抱いてしまうんです。忙しい日は洗っただけのミニトマトを添えるだけでもいい、と決めたら気が楽になりました。まな板や包丁を使わない『しらす丼』や『ネギトロ丼』など簡単メニューにすることも。無理をしないのもポイントです」

人気メニュー・献立の決め方・時短テクを一挙紹介!

“頑張りすぎない”ために、渡部さんが意識しているのは“手を抜く場所を決めること”です。渡部さんは週末にまとめ買いするといいます。「1週間で必要な栄養を意識して食材を買います。食材が足りなくなったら、ストックしている切り干し大根や春雨、ツナ缶といった乾物にも頼ります」
<渡部さんの買い物定番リスト例>
卵 豆腐 納豆 厚揚げ ちくわ 牛乳 スライスチーズ ヨーグルト 魚肉ソーセージ 肉(鶏・豚・牛)魚(1〜2種類)野菜(ブロッコリーやほうれん草など緑色の野菜を多めに)
献立は味付けから考えるという渡部さん。「ケチャップ、にんにくじょうゆ、ごま味噌など味付けをローテーションすると、同じ食材でも飽きません。家でも保育園でも人気のメニューは『チキンチキンごぼう』。甘めのしょうゆダレで唐揚げとごぼうを絡めた、ごはんがすすむ一品です」

渡部家でよく登場するというメニューは「ポークチャップ」。豚のしゃぶしゃぶ用肉を使うことで食べやすく仕上げているそうです。
「忙しい日は、ポークチャップや鶏の照り焼きを焼いているフライパンで、付け合わせの野菜も一緒に焼くワンパン調理をよくしています。火の通りが早いので、帰宅後でも短時間で一気に仕上げられるのも助かっています。一皿で野菜も摂れて、洗い物も楽ですよ」

「サバのケチャップ煮」も手早く作れる人気メニューのひとつ。冷凍の骨なしサバをそのままお鍋に入れて、ケチャップ・みりん・しょうゆ・酒・砂糖で煮るだけと簡単です。「家ではできるだけ包丁を使わないようにしているので、冷凍魚やカット済みの肉、カット野菜に助けられています」
袋売りのカット千切りキャベツを使った「千切りキャベツの巣ごもり卵」も鉄板メニュー。千切りキャベツをフライパンに広げ、穴をあけて卵を割り入れ、少量の水を加えてふたをするだけ。「あえて味付けはせず、ケチャップやお好みソースなど『好きな味で食べてね』と出すと子どもがよく食べてくれます」
野菜をたくさん食べてほしい日の副菜は、「ほうれん草の磯香和え」。ほうれん草を茹でて、刻み海苔・砂糖・しょうゆ・ごま油で和えるだけ。「保育園でも出しているメニューを簡素化したレシピですが、子どもたちの大好物で、3束のほうれん草があっという間になくなります」
日々のごはんに悩む方に、“頑張りすぎない”ための3つの考え方

離乳食教室などの講師として、さまざまな食の悩みに向き合ってきた渡部さんは、「真面目で頑張りすぎているがゆえに苦しんでいる方が多いように感じる」といいます。そこで日々の食事づくりに悩む方にお伝えしたい、3つのポイントをまとめました。
- 自分がイライラしないポイントを見極める
「食に関する悩みは家庭やお子さんごとに違っていて、何が正解かもそれぞれ異なります。自分がイライラしないポイントを見極めるのが大切です」 - 苦手な食材も食卓に出し続ける
「子どもは食の環境を自分で整えることができないため、親が出さない食材は食べる機会がほぼありません。食べなくてもいいので、苦手な食材も出し続けると、食の経験を積むことにつながります」 - 食卓の雰囲気を大切にする
「食卓の楽しい雰囲気が、子どもの『食べることが好き』という感覚につながります。完璧さよりも心地よさを大切にしましょう」
保育園の人気給食が、おうちでも食べられる「こどもごはん」プロジェクト

渡部さんが働く「のどか保育園」では、出汁や素材にこだわった給食を毎日手作りしています。刻んだ大豆をたっぷり使った「ドライカレー」や子どもたちに大人気の「チキンチキンごぼう」など、素材の味を大切にしたメニューが並びます。
その味を家庭でも食べてもらうことで、保護者を支えたいと始まったのが、「こどもごはん」プロジェクト。保育園の給食室でつくった主菜や副菜をテイクアウトで販売しています。

「保護者の方から反響が大きく、『子どもと楽しく過ごす時間が増えました』『幼児食ってこんな味付けなんですね』などたくさんの声をいただいています。こういう食べ方があるんだ、と知っていただけたら嬉しいです」
販売は週1回(月4回)で、うち月2回は一般の方もご予約・ご購入が可能です。事前予約制で、nodocaショールーム公式サイトまたは「こどもごはん」公式ラインからお申し込みいただけます。子育て中の方だけでなく、地域の方が買いに来られることも。リピーターも増えているそうです。
保育園の給食レシピは、のどか保育園の公式サイトで公開中です。このほか、“頑張りすぎないごはん”のヒントとして、旬の食材を使った簡単レシピがそろうKU・RA・SHI内の「今日の食卓レシピ」も、ぜひあわせてご覧ください。
「ごはんを作るのが大変な日もあれば、子どもが食べてくれない日もあります。でも、毎日食卓を囲めているだけで十分頑張っていると思います。完璧じゃなくていい。“生きているからOK”くらいの気持ちで、一緒に乗り越えましょう」
“頑張りすぎない”ごはんづくりを支える最新コンロ機能
最近のガスコンロには、冷凍保存した食材をそのまま調理できるなど、忙しい毎日の助けになる機能も増えています。
「作り置きはしないけれど、下味冷凍は活用したい」
そんな方にも取り入れやすい機能をご紹介します。
リンナイ「デリシア」
アプリ対応 解凍調理

下味冷凍した食材を、凍ったまま「ザ・ココット」へ。
専用アプリによるオート調理で、火加減まで自動で調整してくれます。

ノーリツ「プログレ」
マルチグリル 解凍焼き上げ機能

冷凍した魚をそのままマルチグリルへ。解凍から焼き上げまで自動で行い、ふっくら焼き上げます。

毎日のごはんづくりを、無理なく続けるための“頼れる選択肢”として、こうした機能も注目されています。
詳細はこちら
・リンナイ「ザ・ココット」
・ノーリツ「マルチグリル」
記事の取材協力先プロフィール

株式会社紬
管理栄養士 調理室主任 幼児食・離乳食アドバイザー
渡部紘子さん
自身の離乳食で悩んだ経験から、幼児食・離乳食アドバイザーの資格を取得。筑紫ガスが運営する「のどか保育園」(筑紫野市)や山口県下関市にある「紬木保育園」の管理栄養士として働きながら、離乳食教室「そらもぐ教室」で講師も務め、悩める保護者に寄り添う。小学6年生と3年生の2児の母。

のどか保育園
筑紫ガスが設置した筑紫野市認可の小規模保育園。「STEAM教育」など、子どもの五感を育み未来を担う子どもたちの生きる力を育てるため科学的根拠に基づいた教育に力を入れています。
両親や祖父母など子育てに関わる方々をサポートする「かかりつけ相談機関 mamaサポート そらまめ」も設置し、在園児に関わらず地域の子育てを応援。保育士はもちろん、歯科衛生士や管理栄養士など、専門知識を持ったスタッフが対応します。
住所:福岡県筑紫野市二日市中央2-10-15
HP:https://www.nodoca-hoikuen.chikushi-gas.co.jp/
